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黒子のバスケ*Short Stories2

第1章 身長差の恋*伊月*火神*木吉


鉄平が自販機でレモンティーを買ってくれて、私たちは公園へと入っていった。

ベンチに並んで腰かけると、一気に彼との距離が近くなった。

「何むくれてるんだ?」

また私の頭に手を置かれて、抑えていた気持ちが溢れ出してきた。

「あんまり頭撫でられると、子ども扱いされてる気がするの。」

唇を尖らせて拗ねていると、彼はきょとんとした顔をして口を開いた。

「が可愛いからついつい撫でちゃうんだけどなぁ。」

「え!?」

「嘘は言ってないぞ?」

あっけらかんとする彼を見て安心する一方、何だか悔しくもなった。

「…いつも鉄平ばっか余裕だよね。そっちばっかりずるい!…頭撫でさせて。」

私が立ち上がると、ようやく少しだけ彼が目線の下にいる状態になった。

手が彼の栗色の髪に触れる。

そこからよしよしするように手を上から下へと動かした。

意外と柔らかい髪の感触が手に伝わる。

いつも遠いところにある彼の頭を撫でたのは、これが初めてだった。

心地良さそうにしている彼を見ると、不本意ながらこんな気持ちが生まれてきた。

可愛い。

すると胴に逞しい腕が回され、体が引き寄せられた。

「でかくなってから頭撫でられるなんてなかったからな。…嬉しいもんだな。」

上から私に甘える彼を見れたのもまた新鮮。

「鉄平がさっき言ったことがわかるような気がする。…私もそんな顔してたんだね。」

やっぱりたくさん撫でてもらおう。

それが愛情表現なんだから。

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