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黒子のバスケ*Short Stories2

第1章 身長差の恋*伊月*火神*木吉


名前が呼ばれるのが聞こえて、痛みを覚悟してぎゅっと目を瞑った。

するとがっしりした腕に引き寄せられて、目を開けると大我に後ろから抱き留められていた。

「全く…。危ねぇだろ!ちゃんと前見て歩けよ!」

はぁーっと彼は息を吐き、一安心したみたい。

「ごめんね、大我。助けてくれてありがとう。」

抱きかかえられたまま彼の方を振り向くと、私を覗き込むようにしていた彼との顔の距離の近さにお互い恥ずかしくて顔を背けてしまった。

見上げれば足元不用心。

心配かけないように、せめて歩く時は気を付けよう。

「帰ろうぜ。」

彼が私の手をぎゅっと握って歩き出した。

突然の「手を繋ぐ」に驚いて、目を丸くする。

「こうしてればお前転びそうになっても大丈夫だろ。」

繋がれた手を見て、私の心はトクンと音を立てる。

「うん!…でも、もう一回さっきみたいに助けてもらいたいなぁ。大我かっこよかったもん。」

「…バカじゃねーの。」

そんなこと言ってるのに、耳まで赤くなってるのそっぽ向いてても見えちゃうんだから。
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