第8章 大人で余裕な彼*今吉*
さすがに歩ける距離とはいえ、立ちっぱなしでだんだん足がじんじん痛くなってきた。
「疲れたやろ?どっか入ろうか。」
まだ何も言ってないのに。
カフェに入って向かい側でコーヒーを啜る翔一をじっと見つめてみる。
…やっぱり今何考えてるのか全く読めない。
「、今ワシが何考えてるのか読み取ろうとしてたやろ?」
「あーもう!何でわかるの?」
すると、翔一はからかうように鼻で笑った。
「は分かりやすすぎるわ。顔に書いてある。」
私の気持ちが全部透けているということだよね?
恥ずかしさこの上ない。
「これ直したい…。」
両手で頬を覆ってふくれる私を見て、翔一はいつもみたく笑みを浮かべている。
その笑いはいったい何を意味してるの?