第5章 ボーイズトーク*緑間*日向*今吉
「順平!」
カントクの隣にいたのは、「今日は用事があるから行けません(。´Д⊂)とメールしてきた彼女だった。
「!…お前来るなら来るって言えよ!」
「リコには連絡したよ?順平驚かせたかったの。」
「はいはい。びっくりしました。」
「もう!」
気が付けば、カントクが気を利かせて席を外してくれていた。
「あ、さっき試合こっそり観てたよ。結構派手にぶつかってたけど大丈夫だった?」
「ああ。ちょっと腕擦ったけど大丈夫。もう洗ったし、消毒もしたし。」
「そっか、良かった。ところでさ、バスケする時眼鏡って邪魔じゃないの?ボール当たったら恐くない?」
唐突なの質問に、日向は意表を突かれて少し考えてみた。
「あー…気にしたことなかったわ。てか、今さら無くなったら逆に落ち着かないかも。」
「順平中学からもう眼鏡だったもんね。…去年不良ぶってた時も…ぶふっ!」
ヤンキーになりきれていなかった日向の姿を想像して、は耐えきれず吹き出してしまった。
「ダアホ!その話はするんじゃねぇよ!恥ずかしいだろうが!」
日向は顔を真っ赤にして、の頭を大きな手でぐっと押した。
「はぁー…ごめんごめん。ね、順平の眼鏡貸して?」
「あ?いいけど、…ほら。」
日向から眼鏡を受けとると、は顔を下に向けて眼鏡をかけた。
「似合う?頭良さそうに見える?」
実はが日向の前で眼鏡をかけるのは初めてだった。
いつもと違う彼女の顔に、少しだけ日向の胸を熱くした。
「…似合う。」
思わず素直な思いが口から溢れた。
「可愛くなった?」
「…かけてない方がいい。」
「似合ってるのに?」
日向の答えの意味がわからず、は困り顔をしていた。
こうなってしまっては、ストレートに言わないとには伝わらない。
「お前が笑ってる顔隠れるだろ。」
「えへへー!」
日向の言葉には満面の笑みを浮かべて、ぎゅっと日向の腕にしがみついた。