第5章 ボーイズトーク*緑間*日向*今吉
<日向>
「すみません。お待たせしました。」
緑間が彼女と離れチームの輪に戻ってきた。
すると、日向が気になっていたことをストレートに口にした。
「お前、マネージャーの子と付き合ってんのか?」
緑間はいつも通りの無表情で、淡々とした口調で答えた。
「はい。彼女です。」
「表情一つ変えへんなぁ。さっきみたいな顔がまた見たいわ。」
今吉の茶化すような言葉に、さすがの緑間も動揺を隠せなかった。
「なっ…!見てたんですか!?」
「見てたんちゃうわ。見えたんや。」
「日向くーん!ちょっと来てー!」
遠くからの聞き慣れたカントクの声に、日向はぴくりと反応した。
「カントク…一体今度は何だ。すみません、ちょっと行ってきます。」
日向はうんざりした表情で、早足でカントクの元へ向かった。
「いってらっしゃい。…青春やなぁ。」
「?」
一足先に日向が向かう先を見て、今吉はまたもニヤっと笑った。
緑間はその笑みの意味が理解できず、少しの間考え込んでいた。