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黒子のバスケ*Short Stories2

第50章 Happy New Year! 2014*伊月*


神社に着くと大勢の人たちが年越しを迎えようと訪れていた。

あと10分ほどで日付が変わり、新たな年を迎える。

人混みで少しくらくらしていると、俊くんが優しく私の手を握った。

「人多いから、はぐれないようにな。」

そう言うと、また前を向いて私の手を引いて人混みから少し離れた。

「折角だから年越してからお参りしたくないか?」

「うん!それに人混みの中で何となく年越すのも微妙だしね。」

二人で手を繋いだまま、配られていた温かいお茶に口を付けた。

「今年は今までで一番良い年だったな。」

俊くんは感慨深そうにポツリと呟いた。

「夢が叶ったもんね。」

そう。今年は誠凛バスケ部が日本一の夢を叶えて、応援に行っていた私も勝利の瞬間は涙してしまった。

「それもあるけど、やっぱりとこうして一緒にいられるようになったのも大きいよ。」

「それは私も…。俊くんのお陰だよ。」

同じクラスになった春。

隣の席になって恋が始まった夏。

文化祭で告白された秋。

そしてこの冬。

一喜一憂していた気持ちも、今となれば随分穏やか。

振り返ってみれば、俊くんを好きになってから日常の色が鮮やかになったような気がする。

カウントダウンが聞こえてきて、私たちも顔を見合わせてそれに声を揃えた。
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