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黒子のバスケ*Short Stories2

第50章 Happy New Year! 2014*伊月*


大晦日の23時過ぎ。

いつもなら家族で歌合戦でも観ながら、新年を迎えるのを待っている時間。

だけど、今年からは違う。

「あと10分くらいで着くから準備しておいて。」

メッセージを見る前から既に準備万端で、彼が迎えに来るのを待っていた。

インターホンが響き、私と何故かお母さんも玄関に向かった。

「俊くん、いらっしゃい!不束な娘だけど、どうぞよろしくね!」

私よりも先にお母さんが俊くんに声をかける。

しかも、まるでお嫁に行くみたいな一言を。

「すみません、夜遅くに連れ出しますが…。必ず送り届けますから。」

俊くんは少し遠くから玄関の様子を伺うお父さんにも、柔らかく微笑んで会釈した。

「じゃあ行ってくるね。」

笑顔で見送ってくれるお母さんはすっかり俊くんのファン。

人当たりがよく、礼儀正しく、何よりダジャレを言わなきゃイケメンの彼が可愛くて仕方ないみたい。

お父さんも実は密かに彼を好意的に思っている。

真夜中の静かな道を歩きながら、私たちは近所にある神社へと向かっていた。

「俊くん、ごめんね?お母さんったら俊くんと話したい!って、でしゃばるんだもん。」

「全然気にしてないよ。の家族は皆優しくて俺は好きだよ。」

人気がない道に、二人の足音が響いて。

空気が澄んでいるからか、星がより輝いて見えて。

非日常な状況は、いつもよりも私の心を弾ませて鼓動を速くした。
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