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黒子のバスケ*Short Stories2

第49章 傍にいるから*宮地*


年が明けて3学期になって、またいつも通りの日々が始まった。

無意識に体育館の中で清志先輩を探してしまうのは、すっかり私の癖になっているみたい。

だって片想いの時から1年くらいずっと毎日こうしてたんだから。

今日も部活が終わって、部員それぞれが自主練を始めた。

片付けをしたり活動日誌を書いたりしながら皆の自主練をぼんやり眺めていた。

清志先輩と一緒にいたくて、何かと用を作ってわざと最後まで残ってたな、とか。

夜遅くの二人きりの体育館で、「好きだ」って言ってもらったな、とか。

何より、近くで真剣にバスケをする清志先輩を見られることが幸せだった。

一つ一つ思い出が過っていく。

…慣れるまで相当時間がかかりそう。

「あー!宮地さん!お久しぶりでっす!こんな時間まで何やってたんすか?」

彼の名前に反応して、高尾がいる方に目をやると、制服姿の彼が体育館の入り口に立っていた。

「おー。あいつ迎えに来た。おい、帰るぞ。」

「…はいっ!」

予想外のお迎えは、しんみりしていた気持ちを吹き飛ばしてくれた。

足取り軽く清志先輩に駆け寄った。
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