第45章 12月20日*赤司*
翌日学校では2学期を終える終業式が催され、その後すぐに部室へと向かった。
扉を開けると、玲央に小太郎、永吉がすでに集まっていた。
「あら、征ちゃん。お誕生日おめでとう。」
「玲央ねぇ、朝も言ってたじゃーん。」
「うるさいわねぇ。可愛い征ちゃんには何回も言いたくなるのよ。」
「誕生日はめでたいし、いいんじゃねぇの?赤司、16歳だな!」
「そうだな!赤司、お誕生日おめでとう!!」
朝練習で顔を合わせた時も、言ったつもりはないのに今日が僕の誕生日だと知っていて、彼らは声をかけてくれていた。
笑顔で何度も「おめでとう」と祝ってくれる彼らに、素直に感謝の思いが込み上げてきた。
そう思えるようになったのは、きっと彼女のお陰だ。
「玲央、小太郎、永吉。…ありがとう。」
自然と浮かんだ笑みに、三人は少し驚いた表情を見せたが、すぐに明るい笑顔を見せてくれた。
「ところでさ、赤司!彼女から何かあったか?」
小太郎が目を輝かせ、身を乗り出して尋ねてきた。
「あぁ…。夜に電話をもらったよ。」
「12時になったと同時に…ってとこかしら?妬けちゃうわね。」
玲央は相変わらず勘が鋭く、柔らかく微笑んだ。
「もうすぐ会えんだろ?俺らにも会わせろって。」
永吉はどこかからかうように、にやついている。
「…そうだな。一度お前たちにも会ってもらいたい。」