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黒子のバスケ*Short Stories2

第45章 12月20日*赤司*


時計の長針と短針が重なり合い、日付が一日進んだ。

その瞬間携帯電話が震え、ディスプレイがぱっと光った。

「もしもし…?」

「征ちゃん!お誕生日おめでとう!…私が一番だった?」

「ああ。…ありがとう。嬉しいよ。」

電話口から聞こえてきたのは、東京に残してきてしまった最愛の彼女。

夏に会ってから、もう4ヶ月が過ぎていた。

「…本当は直接言いたかったけどね。」

「すまないね。もうすぐそっちに行くから、それまで頑張れるかい?」

冬の全国大会であるWCは東京で行われるため、大会中は東京に滞在することになる。

「…うん。23日から大会始まるんだっけ?」

「そうだね。前日には東京に入るから、22日には会えるよ。」

「あと2日かぁ…。会えるの楽しみにしてるね!」

「僕もだよ。それじゃあ、また。」

彼女に会えるのは少し先だが、何とも思っていなかった誕生日が彼女からの祝いの言葉で始まったことが胸を軽くした。

自分が生まれた日を自分が大切に想う人に祝われることがこんなに心を暖かくするとは思わなかった。

「…待ちきれないな。」

早く、会いたい。

早く、触れたい。
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