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黒子のバスケ*Short Stories2

第4章 一枚上手*赤司*


「へぇ…じゃあ僕はどんなところが変わったんだ?」

さぁ、はどう対抗してくるのか。

「…昔はそんなに意地悪じゃなかった。いつも優しかったし、私のことからかったりしなかったもん。」

わかっていないんだな。

その態度の裏側にあるものが。

「今の僕は優しくないのか?には優しくしてるつもりだけど。」

「そういう訳じゃなくて!…私のことそんなに馬鹿にしなかった。」

「馬鹿になんかしていないよ?変わっていないというのは、悪い意味じゃない。」

「じゃあどういう意味か教えてください。」

「は昔から好きなものに対してだと表情が変わる。眼を輝かせて、満面の笑みを浮かべるんだ。」

「…?例えば?」

言葉の意味を理解しきれず疑問符を頭上に浮かべている様子のに、僕は分かりやすいように言葉を返した。

「今日ケーキが来た時嬉しそうに眺めていただろう?あと、ケーキを食べた時とても幸せそうだった。」

「…それは大体の人がそうなると思うけど。」

「じゃあの昔からの癖。甘いものに関しては、少しずつ食べて出来るだけ長い間楽しもうとする。」

ケーキが来てから大分時間が経っていたが、まだ3分の1ほど残っている。

話していたのを差し引いたとしても、普段の彼女の食事のスピードと比べて格段に遅い。

「…うっ。」

まさに図星だと、その表情が物語っていた。

「それから、ショートケーキの苺は必ず最初に食べる。…変わっていなくて可愛いな、と思ったよ。」

皿の上のケーキを見ると、既に苺の姿はなかった。

今日もは最初に一際輝きを放つ赤い果実を口に運んでいたのだから。

「……もう!征ちゃん何でもお見通しって感じがする。自分ばっかり大人になってずるいよ。」



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