第4章 一枚上手*赤司*
「僕自身は変わったつもりはないんだけどね。…あ、も変わったところはあるよ。」
「え?どんなとこ?」
は興味津々に少し身を乗り出して、僕の答えを心待にしている。
「昔はよく僕に好きだと言ってくれていたよね。最近のはそういうところは素直じゃなくなった。」
幼馴染みから一歩進んだ関係になってはいるが、は恥ずかしいのか中々好意を口にしなかった。
「…そんなこと簡単に言えるわけないでしょ!征ちゃんなんか嫌い!」
顔を背けてしまったに、必ずこちらをまた向く言葉を告げた。
「そうか。僕はが好きなのに残念だな。」
好きだなんて喜ぶのならいくらでも言える。
「…もー!そんなこと簡単に言わないで!もう本当に嫌い!」
「そんなに顔を赤くして言われても説得力がないよ?」
の顔は真紅に染まっていて、その表情からはすっかり余裕が消えていた。
「…っ!…征ちゃんに対抗しようとした私が馬鹿だった。」
「ふふっ…。は僕には勝てないよ。」