第37章 不器用な君と/笠松*宮地
<宮地>
「はー…マジでみゆみゆ可愛すぎだろ…。」
始まりました、清志の至福タイム。
ちなみに今日は久しぶりのデートでショッピングモールに遊びに来た。
歩いていたら通りにあった本屋さんに、清志は吸い込まれるように入っていった。
手を繋いでいたから、必然的に私も一緒に本屋さんへ。
本屋さんやCDショップなど立ち寄ったところにみゆみゆがいれば、清志はたちまち夢中になる。
清志は外見はかなり格好いいと思う。
柔らかそうな金髪に、すらりと高い身長。
顔立ちも整っているし、私もマネージャーじゃなかったらお近づきになれなかった。
喋らなければイケメンなのになぁ。
とりあえず至福タイムを邪魔すると轢かれるかもしれないので、雑誌コーナーを見渡す。
ふと目についたのは、最近気になっているアイドルグループが表紙の雑誌。
ペラペラ捲ると、若手のアイドルや俳優がたくさん載っていた。
「格好いいな…。」
「おい、。何ニヤニヤしてんだ。轢くぞ。」
耳馴染みのある声で我に返った。
気付けば隣に清志が不機嫌そうな顔して立っていた。
「あれ?清志もういいの?」
「いいんだよ。みゆみゆの雑誌は全部チェックしてあるから。」
…そうですか。
部活で忙しいはずなのに、いつチェックしてるんだか。