第36章 一緒に出来る幸せ*青峰*
「大輝、どうやったらシュート入るようになるかな?」
「あ?こう。」
大輝がボールを片手で放り投げると、その適当なシュートでボールはゴールへと吸い込まれた。
「わかんないって!」
そんな天才的なシュート、真似できません。
「あー、はいはい。…ほら、やってみろ。」
ボールを渡されて、昔プレイしてた時を思い出して、ゴールへとボールを放った。
残念ながらリングに嫌われて、地面へとボールは落ちた。
「お前基本の型にハマりすぎ。もっと楽にやってみればいいんじゃねぇの?」
すると、大輝は私の後ろに回り、シュートの姿勢を取らせた。
大輝に手首を掴まれ、くるくる回された。
「手首もうちょっと柔らかくしろ。…お前経験者じゃねぇの?」
「そうだけど…。バスケ好きだけど、上手くはなかったの。」
「ふーん…。ま、いいんじゃね?バスケ好きなやつに悪いやついねぇし。」
急に頭をくしゃりと撫でられて、胸が暖かくなった。
何だかんだ練習見てくれて、本当は優しいんだよね。
「、1on1やろうぜ。」
「だから、大輝相手じゃ無理!」
「わーってるって。手加減してやるから…。お前オフェンスな。」