第36章 一緒に出来る幸せ*青峰*
「昼間は暖かく、お洗濯日和になるでしょう。」ってニュースで言われていても、季節は冬。
たまに肌に当たる風は冷たくて、身体を冷やしていく。
それにもかかわらず、大輝は相変わらずの公園でストバスに夢中になっている。
練習行かないくせに、「毎日ボール触ってねぇと、落ち着かないんだって。」なんてよく言っている。
中学ではバスケをやっていた私だけど、高校は男子バスケ部のマネージャーになった。
まぁ、その縁で大輝と付き合うことになったんだけどね。
それにしても、寒くて身体が固まってきた、
季節お構いなしでストバスをする大輝に付き合うのも一苦労だ。
「ねぇ、大輝。」
足元に転がってきたボールを手渡す時に、汗を拭う彼に声をかけた。
「何だよ。飽きたか?」
「ううん。…私にバスケ教えてくれない?寒いから動きたい。」
そう伝えると、大輝は片側の口角を上げて少しだけ笑顔を見せた。
「いいけど、お前俺についてこれんのか?」
何言ってるの、この人!
「オレに勝てるのはオレだけだ。」が持論でしょ!
「ちょっと!大輝のレベルに合わせられるわけないでしょ!?」
「冗談だっつの。…ほら、早く来いよ。」