第35章 12月3日*水戸部*
12月3日夕方。
部屋の飾り付け、よし。
プレゼントの準備、よし。
料理とケーキ、よし。
あとは、今日の主役が帰ってくるのを待つばかり。
定時で上がるのなら、そろそろ会社を出る頃かな。
すると、携帯にメールが届いた。
「ごめん。今日残業になっちゃった。遅くなりそうだから、また今度にしよう。」
残業…社会人故の急な用事。
すごく残念だけど、仕方なく我慢。
でも今度にする、なんて無理。
だって今年の彼の誕生日は今日しかないんだから。
私の答えはもちろん。
「お仕事お疲れ様。何時になっても待ってるよ。だから頑張ってね!」