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黒子のバスケ*Short Stories2

第35章 12月3日*水戸部*


「誕生日何したい?」

そう尋ねたら、少し考えて私の手をぎゅっと握った。

柔らかく優しく私を見つめる眼差しで、伝わったのは。

「二人で過ごしたい」

学生の頃は、大家族の彼の家のパーティーや部活の皆でパーティーがメインだった。

その前か後で二人きりで細やかに誕生日をお祝いしたものだった。

今、私たちは社会人になって、彼は一人暮らしを始めていた。

「んー…じゃあどこでやろうか…。」

和食が好きな彼に気に入ってもらえるレストラン調べた方がいいかな…。

すると、彼は指で下を指している。

「…ここ?凛くんの部屋でってこと?」

目を細めて頷いてくれたので、お部屋パーティーが彼のご希望のよう。

彼がビックリしてくれるような夜にしたい。

密かに有休を取って、パーティーの準備に全力を注ぐことにした。
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