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黒子のバスケ*Short Stories2

第33章 Merry Christmas!2013*赤司*桜井*


一通りイルミネーションを見て、そろそろ帰ろうかと踵を返す。

冷えてきたのもあって、家路に着く人たちも多かった。

ふと、征ちゃんが遠くを見つめて足を止めた。

そして出口とは別の方向へ私の手を引いて歩き出した。

「征ちゃん、どうしたの?出口あっちだけど…。」

「いいものを見つけたんだ。」

細い小道の途中にあったのは電灯に照らされたベンチ。

どこに「いいもの」があるのかと、首を傾げながら征ちゃんの後ろを歩いた。

「。」

電灯の光が照らしているところで征ちゃんが振り返り、私を抱き寄せ唇を重ねた。

突然の唇の温もりに急激に身体が火照る。

恥ずかしさをごまかすために、征ちゃんに尋ねた。

「せ…征ちゃん!いいものって何?」

「あぁ、あれだよ。」

そう言って征ちゃんは電灯の上の方を指差した。

見れば丸い木の飾りのようなものがあしらわれていた。

「あれは宿り木といって、恋人同士がこの下でキスをすると永遠に幸せでいられるという言い伝えがあるんだ。」

…それは私とずっと一緒にいたいという意味でいい?

博識な征ちゃんだけど、このことやポインセチアの花言葉は元々知っていたのかな?

私を想ってくれている気持ちが伝わって、何て幸せなクリスマス。

これから先も離れ離れの日々は続くけれど、寂しいけれど大丈夫。

だって心に燃えるほどの想いがあるから。

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