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黒子のバスケ*Short Stories2

第33章 Merry Christmas!2013*赤司*桜井*


少し歩いて辿り着いたのは夜の植物園。

「今日は特別にクリスマスイルミネーションがやっているらしくてね。」

予めチケットは用意されていて、するりと植物園に足を踏み入れた。

まさかこんなところに連れてきてもらえるとは思ってもいなかった。

実は少しだけ気にはなっていたけれど、あまり人混みが好きではない征ちゃんだから口には出さなかった。

「…どうして私がここに来たいってわかったの?」

「わかるさ。のことなら、何でもね。」

深紅と琥珀の瞳に全てを見透かされているようで、急に恥ずかしくなった。

けれどそんなことは忘れてしまうくらい、光と花のコラボレーションにすっかり心奪われてしまった。

「あ、ポインセチア!クリスマスっぽいね。」

クリスマスを象徴するポインセチアもたくさん飾られていた。

「…、ポインセチアの花言葉を知っているか?」

「ううん、知らない。何、何?」

「私の心は燃えている、というらしいよ。赤が情熱的な色だからね。」

赤は情熱的…なら。

「征ちゃんも情熱的なの?だって赤は征ちゃんの色だもん。」

征ちゃんは少し驚いた顔をして、私の顔を見てふっと口許を緩めた。

「僕はどうだろう…。少なくとものことに関しては情熱を持っているよ。」

涼しい顔をして気恥ずかしくも素敵な言葉を並べられ、顔がどんどん熱くなる。

「も情熱的だと思うよ。そんなに顔を真っ赤にしているんだから。」

「…っ!征ちゃん!」

私の反応を見てくすくす笑う征ちゃんを、少しあどけなくてちょっと可愛いなと思ってしまう。

…ずるい。

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