第33章 Merry Christmas!2013*赤司*桜井*
待ちに待ったクリスマスの日。
待ち合わせの駅前に時間よりも少し早めに到着した。
夜の寒さに少し身体を震わせて待っていると、不意にふわりと首元が暖かくなった。
「、すまないね。待ったかい?」
目の前に現れた征ちゃんは、夏に会った時よりも髪が短くなっていてどこか大人びて見えた。
「ううん、私もさっき来たところ。…これ征ちゃんのマフラーでしょ?」
「がどこか寒そうに見えたからね。これをしているといい。」
マフラーを私に巻くその手つきは、とても優しくて穏やかで「あぁ、征ちゃんがいる。」とやっと実感できた。
どちらからともなく手を繋いで、キラキラ飾り付けされた街を歩く。
お店を覗いてみたり、一緒にご飯を食べたり。
ただそれだけのことなのに、隣に征ちゃんがいて、メールでも電話でもなく直接顔を見て話せる幸せをひしひしと感じる。
華やかな町並がその感情をより昂らせる気がする。
「…そういえば行きたいところがあるんだが、行ってもいいかな?」
「うん!」