第32章 君と聖夜を過ごすのは*キセキ*
「へ?」
「俺とデートしようって言ったの。一緒にショッピングしよ!」
確かに涼ちゃんモデルさんだし、おしゃれだから洋服見立ててもらいたいかも。
それにしても距離が近い。
いくら涼ちゃんでも、その綺麗な顔を近付けられると胸が高鳴ってしまう。
「ちょっと待てよ、黄瀬。俺もといたいっつーの。」
そこに冬なのにガングロなエースが眉間にシワを寄せて加わった。
「俺が先にっち誘ったんスよ!?いくら青峰っちでも譲らないから!」
「決めんのはだろ。なぁ、。バスケ教えてやるよ。前から俺に頼んでただろ?」
大ちゃんのバスケの腕は尊敬してるし、バスケ好きな私としては願ったり叶ったり。
いつもは皆の練習の邪魔になるから練習ない時にね、ってお願いしてた。
二人の言い争いをぽかんと眺めていたら、後ろから大きな妖精さんがのしかかってきた。
「もー、黄瀬ちんも峰ちんも違うから。ちんは俺のクリスマスケーキ食べに来るのー。」
「横入りすんなって、紫原。」
「あぁ!しかもまたっちに抱きついて!離れるっス!」
涼ちゃんが私からあっくんを離そうとするけど、あっくんはやだやだ言ってがっしりしがみついてきた。
あっくんのケーキ美味しいからなぁ…。
しかもクリスマスだし、豪華なやつ作りそう…。
「ちん、クリスマス俺と過ごすよねー?」
ねー、って見つめられると、つられてしまいそう。
返答に困っていると、呆れ顔の副部長様が私からあっくんを引き剥がした。
「おい、お前たち。が困っているのだよ。」