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黒子のバスケ*Short Stories2

第28章 11月21日*高尾*


彼が緑間くんをいつも迎えに来るのは6時30分。

刻々と迫るその時間に、妙に胸が苦しくなる。

すると、遠くからこちらに近付いてくる黒髪に学ランの男の子の姿が見えた。

彼の姿が近付いて大きくなるほど、期待と不安で目が回りそうになる。

緊張する私の隣で、涼しい顔している緑間くんの携帯が震えた。

「もしもし、高尾か。」

「おっはよー、真ちゃん!もうすぐ着くぜー。」

いつも明るい彼の声が、朝の静けさのおかげで私にまで伝わってきた。

声を聞くとさらに鼓動がうるさいほどに響く。

「、高尾が行ったぞ。」

私たちはその場所が中から見える小窓からそっと顔を出した。

どんな顔してる?

「マジかよ!?」ってびっくりしてる?

「ヤベー!」ってケラケラ笑ってる?

もしかして「バカじゃねぇの」って呆れてる?

楽しい一日の始まりだから、せめて微笑んでいて。


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