第25章 「おやすみ」と「おはよう」*青峰*
身体は磁石のように引き寄せられて、私の頭は抱えられるようにされて、大輝の胸に顔を埋めるような形になった。
離れないように、腰はしっかり押さえられて、大輝の足が私の足の間に入り込み絡み付かれている。
身動きがとれずもがいて、やっとのことで腕の中から頭を
外に出した。
「大輝!私は抱き枕じゃな…」
自分勝手な王様に、思わず文句を浴びせようとした時には、大輝はもう夢の中だった。
鋭く相手を威嚇するような瞳も、瞑っていればまだ少しあどけなさが残っている。
しばらく仕事が立て込んでいて忙しそうだったし、明日はお休み。
一人で迎える夜よりも、何倍も何倍も幸せな気分の夜。
大輝の短い髪にそっと触れて、お疲れ様の気持ちを込めて頭を撫でた。
普段は恥ずかしくて出来ないから、こういう時こそこっそり唇を盗んだ。
「…おやすみ、大輝。」