第2章 密かに知っていたあなたの癖*赤司*緑間*紫原
<かまってほしいくせに、別にって言う癖/紫原>
出会ったばかりの頃の敦は本当に子供だった。
自分の感情のままに生きていて、時に可愛くもあり時に残酷でもあった。
逆にその素直さが羨ましくもあり、私は彼に惹かれていった。
人を好きになるということで、彼の気持ちにも何やら変化があったみたいで。
前よりも優しくなったし、少し気遣いも出来るようになった。
そのせいか、たまにぐっと我慢をするようにもなった。
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テスト前ということでバスケ部もお休み。
私のお家で一緒に勉強する約束をしていた。
「ちーん、来たよー。おやつ持ってきた。」
玄関のチャイムが鳴って、出迎えると大きな大きな男の子。
はい、と私に白い紙箱を手渡してくれた。
「いらっしゃーい。おやつ敦の手作り?」
「そー。秋だし、さつまいもとりんごのタルト。」
「わぁい!楽しみ!」
「よかったー。それじゃ、おじゃましまーす。」