第2章 密かに知っていたあなたの癖*赤司*緑間*紫原
部活も終わって片付けをしていると、真ちゃんが私のところに向かってきた。
「、もう少し練習していきたいんだが、いいか?」
「うん。私着替えてからまた戻ってくるね。」
「真ちゃん、ちゃんにはやっさしー!俺にももうちょっと優しくしてくれよ!」
「うるさいのだよ、高尾。早くパスを出す準備をしろ。」
あ、目を細めて眉間に皺。
うっとおしいとか面倒くさいって思う時の表情。
(主に高尾くんにしかしないけど)
ここまでは、きっとわかる人も多いはず。
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自主練を終えての帰り道。
二人で近くの自販機でジュースを買って、公園で少し話すのが定番。
「ねぇねぇ真ちゃん。このおしるこ白玉が入ってて飲み口が広くなってるやつだよ!知ってた?」
私が自販機のおしるこを指差して伝えると、真ちゃんはガラス越しの缶を覗き込んだ。
「本当だな。知らなかったのだよ。」
あ、嬉しそう。
もちろん新商品を買って、公園のベンチに腰かけた。
「来週の日曜日部活お休みだね。」
「そうだな。久しぶりにどこかへ出掛けるか?」
「うん!あのね、私おしることかが美味しそうな和風なカフェ見つけたんだ!良かったらそこ行かない?」
私はブックマークしていたネットのページを真ちゃんに見せた。
「…わざわざ調べてくれたのか?」
「うん。真ちゃんおしるこ大好きだし、たまにはそういうのもいいかなと思って。」
「…感謝するのだよ。」
やっぱりそうだ。
私だけが知ってる彼の顔。
嬉しい時俯いて笑う癖。
照れ屋な彼だから、直接満面の笑みを向けてくれることはあまりないけど。
口許が綻んでいるからちゃんとわかる。
そんな不器用なところもまた好きなのです。