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黒子のバスケ*Short Stories2

第20章 君に呼ばれるとなぜか*小金井*


「…は彼氏とかいないの?」

「私?いないよ?…コガくんは?」

特定の相手がいないことに安心したのと同時に、さっきのが気のせいじゃなかったことを確信した。

やっぱり聞き間違いじゃなかった。

聞かれたことの返事にはならないけど、どうしても確認したかった。

「…あのさ、俺のこと「小金井くん」じゃなくて「コガくん」って呼んでくれたよね?」

そう言うと、はぼっと顔を赤らめて、口を両手で覆った。

「…嫌だった?」

は恐る恐る様子を窺うようにして、俺の方をちらりと見つめた。

「ううん、全然。…ちょっと驚いただけ。」

「皆そう呼んでるから、呼んでみたくて…。タイミングわからなかったから勢いで言ってみたんだけど、やっぱ見つかっちゃったぁ…。」

確かに皆俺のこと「コガ」って呼んでくれる。

聞き慣れているはずなのに、の口から出た呼び名はどうしてこんなにドキドキさせられるんだろう。

「コガ」の方が呼びやすいから?

でも、嫌いだったらあだ名で呼ぼうなんて思わないはず。

こんなに小さなことを気にしている自分の気持ちが、この時はっきり分かった。

「さっきの答えまだしてなかったよね?」

「…うん。」

「俺も彼女いないよ。…でも、好きな子はいる。」
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