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黒子のバスケ*Short Stories2

第19章 浮いて沈んで、また浮いて*日向*


家に戻って、クローゼットに隠してあった長方形の箱を取り出した。

「…今日、渡したかった。」

センス良くラッピングされたその箱の中身はもちろん、順平へのプレゼント。

出会いは高校生の時。

2年の時同じクラスでそこそこ話す仲ではあったけど、3年でクラスが別れてからは挨拶するくらいだった。

それから大学に進学し、友達に連れられて行ったバスケサークルに彼がいたのがきっかけだった。

顔馴染みということで意気投合し、何だかんだ面倒見が良くて少し不器用で優しいところに惹かれた。

大学2年の秋に付き合い始めて、今日は3年記念日。

今年からお互い社会人になり、一日一緒にいることは難しいから夜ご飯でも、という話だった。

持ち上げられた気分は上げられれば上げられるほど、ジェットコースターが落ちる時のように急加速で気分を落下させる。

ただ、少しずつ少しずつ気持ちは落ち着いてきて、段々あの態度に申し訳なさを感じ始めた。

「…メール入れとこ。」

さっきは拗ねすぎました。
ごめんなさい(>_<)
お仕事頑張ってね!

最後の一言を何でさっきの電話で掛けてあげられなかったんだろう。

仕事に追われる彼に労いの言葉をかけるのが先だったはず。

時間が経ってからしか反省できない自分に不甲斐なさを感じた。

今日は早く寝て明日の夜のデートに備えよう。

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