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黒子のバスケ*Short Stories2

第18章 次のピアス*黄瀬*


それからようやくファーストピアスを外せるまで時が過ぎた。

彼のお仕事が忙しく、ここのところしばらく会えていなかった。

何となく彼と会った時にファーストピアスを外したくて、そのまま耳に残していた。

今日はやっと時間がとれて、また彼の部屋へお呼ばれしていた。

「っちー!会いたかったっス!」

部屋の扉を開けるや否や、彼が力強くぎゅっと私を抱き締めた。

私の頬に顔を寄せ、愛しそうに見つめてくれた。

そこまで整った顔が近づけられると、何度されても照れてしまう。

ちょっと俯くと、彼は私の頬に優しくキスをした。

手を引かれてリビングへと導かれ、彼は私をソファに座らせ、席を外した。

すると、今回はマグカップの代わりに小さな小箱を持ってすぐに戻ってきた。

「はい。っちにプレゼント。」

彼はその箱を当たり前のように私に手渡した。

「私、誕生日でもないよ?」

「そろそろファーストピアスとれる頃っスよね?…開けてみて。」

中身は何となく予想がついた。

私が雑誌で見ていたあのピアス。

彼はマメだから、そういうことはいつもよく覚えている。

確かに箱を開けると、それは現れた。

やっぱり実物は可愛いな、と顔を綻ばせていたら、隣に小さな黄色のストーンがついたスタッズタイプのピアスが一つだけ添えられていた。

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