第18章 次のピアス*黄瀬*
「涼太、これは?」
「インペリアルトパーズっていうらしいっスよ。これは人生において最高の幸せをもたらすんだって。」
黄色の石を選ぶのは彼らしいと思いつつ、一つの疑問が口から溢れた。
「これ何で一つだけなの?」
「…それは俺が片割れを付けてるからっス。」
そう言うと、彼は髪を耳にかけて、左耳のリングピアスの隣の黄色いピアスを私に見せた。
「お揃いっスよ。二人で付けてたら、お互い幸せになれそうでしょ?」
私の心を読んでいたかのようなプレゼントに、胸がとくん、と音を立てた。
「うん。…二人で幸せになろうね。」
自然と嬉しい気持ちが言葉になり、同時に彼の顔はみるみるうちに真っ赤に染まっていった。
「っち!それ、プロポーズ!?」
「さぁねー。」
あなたと次のピアスを共有する。
小さな繋がりを持つだけで、想いが伝わり寂しさや不安はすっと消えていくのは何故だろう。
あなたと一緒がいい。