第2章 密かに知っていたあなたの癖*赤司*緑間*紫原
「…もう日付が変わってしまったな。と話していると、時間が経つのが本当に早い。」
「ほんとだ!征ちゃん明日も部活だよね?ごめんね、遅くなっちゃって。」
「いや。僕がの声が聞きたかったから構わない。…そろそろ寝ようか。」
「うん、また来週ね。明日も頑張ってね!」
「ありがとう。じゃあ、また。」
終わりの言葉を口にするとやっぱり寂しい。
また一週間、征ちゃんの声が聞けなくなる。
でもね、知ってるの。
征ちゃんの自分から受話器を置かない癖。
大体終わりの言葉を言った方が電話を切るけど、征ちゃんはしばらく切らない。
少し間が空いてから。
「征ちゃん…そっちから電話切ってよ。」
「…あぁ、すまない。…名残惜しくて。それじゃあ、また。」
ようやくプツンと電話が切れた。
彼の癖の裏側の意味は、私と同じ気持ちでいてくれているということ。
そうやって前向きに考えれば、また一週間頑張れる。