第2章 密かに知っていたあなたの癖*赤司*緑間*紫原
<自分から受話器を置かない癖/赤司>
毎週土曜日の夜。
必ず私の携帯に京都にいる彼からの着信が入る。
バスケ部で主将として活躍する彼は、当然ながら忙しい。
いつの間にか毎週土曜日に電話するのがお決まりになっていた。
きっと次の日も休みだから、という彼の計らいだなと思うと、その心遣いに胸がときめいた。
今日もテレビを観ていると、携帯が震え彼の名前と見慣れた電話番号が表示された。
「もしもし、征ちゃん?」
「、今話しても大丈夫か?」
もちろんです。
だって週に一度のこの時間を心待ちにしていたんだから。
「もうすぐ10月かぁ。何だかあっという間だね。」
「そうだな。だいぶ涼しくなってきて過ごしやすくなった。」
「京都の紅葉はいつ頃見頃になるの?」
「10月の終わりから11月くらいだと思う。その時期なら時間を作れると思うから、京都に見に来るといい。」
「うん、征ちゃんに会いたいし行きたい。…紅葉は口実。」
「は理解が早くて助かるよ。…中々会いに来てくれと軽々しく言えないからね。」
征ちゃんは言葉や態度の裏に思いを込めている。
昔から一緒にいたし、彼の気持ちを読み取ることには慣れてきた。
他愛もない話で時間が刻々と過ぎていく。