第2章 宿題(黒尾)※
次の次の日。
黒尾は何食わぬ顔をして第二資料室にやってきた。
「コレ出さねぇと部活行けねえんだよ!、手ェ貸してくれ」
いつものように提出期限が切れた宿題を抱えて。
「黒尾、いい加減自分で宿題やりなよ。アンタの頭にも一応脳みそ入ってるんでしょ?」
私は最初の日の様に、本から目を離さずに言い放つ。
「わかってねーな。頭使ってるからこそ楽できる方法を選んでるんだろ?」
そう言って奴は笑う。
…なんで私は自分が特別だなんて思い上がったんだろうか。
考えればすぐわかることだ。
最初から奴は私を利用してるだけなんて事は。
「いちごオレなら買ってきたぜ?ホラ」
「…要らない」
好物のいちごオレを初めて拒否する。
私がいつもと違う事に、黒尾はようやく気づいた。
「オイオイ、どうしちまったんだよ」
「…黒尾」
壊れるような関係が最初から無いのなら。
私も精一杯、奴を利用してやろう。
「…キス、してくれたらいいよ」