第1章 1.ゆらり×ゆらり×出会い
入口のエレベーターが動き出した。
サクラの抱いた子猫がにゃおんと鳴く。
程なくして、エレベーターから3人の人影が現れる。
1人はひょろりとした長身に黒髪短髪。サングラスにスーツといった出で立ちの青年。
1人は金髪のすらりとした体躯に民族衣装のようなマントを身につけた利発そうな少年。
そして残る1人は快活な印象を与える黒い瞳と期待に満ちあふれた表情。緑色の上着に揃いのショートパンツ、
短く伸ばした髪を立てている少年。
3人が降りた瞬間辺りは殺気が満ち、異様な空気をもたらす。
しかしそれも一瞬のことで後には無関心のみが残る。
3人は冷たいものが背筋を撫でた気持ちでゴクリと喉を鳴らし周りを見渡す。
目の前に珍妙な姿をした人物を見付ける。
彼は、小さな丸いプレートをそれぞれに手渡す。
それを受け取りながら、一番小さい少年は後ろからの視線に気付いた。
振り向けば自分と同じ位の年齢の少女が子猫を抱いて自分達を見つめている。
殺気や敵意があるわけではないのに好意的な訳でもない。