第1章 1.ゆらり×ゆらり×出会い
少女はバッジを受け取ると同時に高い位置にあるパイプまで登り、胸のダウジングストーンが揺れ出した時だけ下に降りてきてその時来た受験者の顔を見ていく。
初めは44番
彼がやってきたとき会場はざわついた。
あの有名な奇術師ヒソカ。
噂では前回ハンター試験に参加して試験官を殺して失格になったとか。ざわつかない方が不自然なのかもしれない。
しかしそんな殺人狂に年端も行かない少女が子猫を抱えてぽてぽてと近づいていけば話は別だ
今度は先程とは別の意味でざわめきがおこる。
「こんにちは。あなたのお名前はなんて言うとですか?」
みた目通りの愛らしい声でヒソカに問い掛ける。
幼さを残した声はかなりきつめのなまりがある。
しばし物珍しそうに少女を見ていたヒソカはにまりと笑って口を開く。
「相手に名前を聞くときは自分から名乗るものじゃないのかい?♡」
「あ、そうでした。わたしはハルジオンサクラっち言います。」