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ノーゲームノーライフ

第4章 『 』との出合い


鍵を回し、心許ない金具が音を立てて開かれた扉の奥。
部屋は安っぽい木造の部屋だった。
ギシギシ足音がなる床に、三人になると少し小さい部屋。隅にはベッドが1つと窓がある簡素な内装。
部屋に入り、鍵をかけて、ようやくフードを取る三人。
空はTシャツ一枚にジーンズ、スニーカーだけの、
ボサボサの黒髪。

白は純白でくせっ毛の長い髪に隠れた、赤い瞳に
セーラー服。

この世界では見受けられない格好を、目立たせないように拝借していたローブを脱ぎ捨て、やっとスッキリした様子でベッドに突っ伏する空。
俺は部屋の隅にある椅子を持ってきて座った。
空は四角の機械をいじりだし
「目標の宿確保ー達成、と」
と呟きながら操作をしている。
「もう、言っても良いよな?」
「……ん、いいと、思う。」
空が訪ね、白が許可した。
空は心から、様々な思いを込めて、こぼす。


「あああああああぁ、つっかれたぁぁぁぁぁぁ…」
そして、一度堰を切ったらもう止まらないとばかりに
愚痴をこぼし始めた。
「ないわ、マジであり得ない、久しぶりに外出てこんな歩かされるとか、ほんとないわぁー。」
空が愚痴をこぼしている間に白は、制服のシワを整え窓を開け、景色を確認する。
開けた窓からは、自分達がいた崖が遥かに遠くに辛うじて見えた。
「……にんげん、やれば、出来る、ね。」
「ああ、やる気が起きなきゃ出来ない、ーー俺らと言う現実を的確に表す良い言葉だ。」
白の発言に、後ろ向きな解釈をする空。
しかし、こくりと肯定の意思を示す白。

「しかし、今日は本当に濃い一日だったな。」
俺がそう言うと空と白が同時に頷いた。
するといきなり空が
「そう言えば氷麗はどんな世界から来たんだ?
俺達と同じ世界か?」
と、聞いてきた。
「いや、分からないな。俺の世界にもパソコンや携帯電話はあったが、空の持っている四角の機械は見たことがないからね。」
俺が説明すると空はなるほど、考えているようだ。


「携帯はどんな形だったんだ?それと
、これも携帯でスマートフォン、略してスマホって言うんだ。」
空がスマホ、というものを俺に見せつつ説明してきた。
「なるほど、それも携帯なのか。俺の知ってる携帯は少し丸みのある長方形にアンテナがついていて、表面に画面と番号を打つボタンが付いているやつだよ。」
俺が説明すると空はそうかと頷き話し出した。
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