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ノーゲームノーライフ

第4章 『 』との出合い


「はは、そうだな。で、こりゃあなんの騒ぎ?」
はぐらかす様に言う空に髭の男は言う。
「今、エルキアでは『次期国王選出』の大ギャンブル大会が行われてるんだ。」
酒場の中を眺めながら、俺は問う。
「次期国王の選出?」
「おうよ、前国王崩御の際の遺言でな。
『次期国王は余の血縁からでなく"類最強のギャンブラー"に戴冠させよ。』ってな。」
なおも髭の男はビンのキャップを上乗せしながら言う。
「ふーん。」



「国盗りギャンブルで人類種は負けが込んで、
今やこのエルキア、しかも首都だけしか残ってない。
なりふり構ってられないわなぁ。」
「へぇー、『国盗りギャンブル』ねぇ…面白そうなことやってんなぁ。」
そう答えたのは空だった。

白にに倣って、空も酒場の中が気になるのか覗き込んだ。
「ーーじゃあ、あの子達も次期国王候補なのか?」
「んー、『候補』ってのは違うな。参加資格は人類種になら誰にでもあるからなぁ。名乗り上げてゲームで勝負し、負ければ資格剥奪、最後まで勝ち残った奴が国王になる。」
髭の男はただー、と付け加え酒場の中に視線を移した。
「あの赤毛の方、"ステファニー・ドーラ"は前国王の血族だ。
遺言の通り、王族の血筋じゃない奴が国王になったら全て失うから、自分が次の国王に、って狙いなんだろう。」

中ではむぅぅぅと声が聞こえてきそうな顔で手札を睨む赤毛の少女、ステファニー・ドーラがどうするかを考えている。
(ポーカーをやってるのにポーカーフェイスと言う言葉を知らないのか?)
俺はそう思った。
付け加えて、男はため息ひとつ。中の盛り上がりを端的に語った。

「ま、そんなわけで総当たりのギャンブル大会が開催中なのさ。」
「………ふぅ、ん………」
「ふむ、『国盗りギャンブル』ー国境線さえゲームで決まる、ね。」
「へぇー、なるほど。一筋縄じゃあいかなそうだね。」
白と空、俺は互いに感想をこぼす。
白は感心したように。
空は面白そうに。
そして俺は黒髪の少女の後ろにいるフードを被っている奴を万華鏡写輪眼を使って見ながらそう呟いた。
「だが随分適当だな。そんなんでいいのか?」
空が唐突に言った。
その質問に髭の男は
「『十の盟約』に従い、相互が対等と判断すれば賭けるもの、勝負方法は問わない。ーー誰と、何で、どのタイミングで戦うかまで込みで、国盗りギャンブルだからな。」
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