第9章 天からの贈り物
『今度プロポーズする時にでも聞いてみよっかな』
「待って、今なんか聞こえたんだけど」
『え?だから今度中也さんにプロポーズを…って二回も言わせないでよトウェインさんの馬鹿!!』
「ええ、そうくる!?なんで!!?」
ジョンさんの足と腕にギプスをはめてから松葉杖を合わせ、三人で廊下を移動する。
そこでポロッと口に出せばトウェインさんが聞いてくるものだから言ったのだけれど、こんなの改めて言うなんて恥ずかしいじゃない。
『いいでしょ別に、てかトウェインさんが悪い…だってあの人、それくらいしなきゃ勘違いされたままじゃ嫌だもん。告白ついでにプロポーズして全部聞く』
「何このイケメン、可愛い」
「いい事じゃない?あの男にならこれくらいの方がいいだろう……まあ、なかなかにすれ違ってるような気はするんだけど」
ジョンさんの言葉に首を傾げると、ジョンさんからもトウェインさんからも困ったように微笑まれた。
「ほら、着いた着いた!お疲れ様二人共、疲れてるだろうけどちゃんとご飯は食べるんだよ!」
食堂に到着して、そこにはフランシスさんもいた。
トウェインさんとフランシスさんもまだとってはいなかったらしく、私達二人を待っていたらしい。
結果の詳細と、次の作戦に関する話があるそうだ。
『ちゃんと食べるって……この時間帯からこの量を?』
「時間帯かまわずあんな量のデザート食べてる子が何言ってんの、ちゃんと食べなよね。食べるまで僕見張ってるからね」
『えっ、なんかトウェインさんに中也さん菌移ってる気が…』
なんだ、トウェインさんまでもが保護者感覚になってきてる。
中也さんの影響なのか…はたまたフランシスさんからの影響なのか。
「ていうか今日怪我ひどいのはジョン君達だけど、実質一番休養取らないといけないのどう考えても蝶ちゃんだからね?あれだけ疲弊しきってたのによくもまあ移動だなんて…」
「え、移動するどころかこの子、さっき瀕死状態に陥るような怪我負ってたけど?」
『!ちょ、ちょっとジョンさん!それ言ったらまた面倒なこ、とに……っ』
フランシスさんから物凄い視線が刺さった。
それに青い顔をして口角をひきつらせて微笑み返すと、あちらからも素晴らしい笑顔が……
「ジョン君、詳しく聞かせたまえ。あとミス白石はこのメニューを増量だ」
『そ、そんな………あぅ、』