第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
そしてその後はといえば、勿論の事イリーナ先生は、ポートマフィアの一同を含む全員に報告。
中也さんに大人しくしてろと言われたので、自分から騒ぎ立てるようなことは絶対にしないが…
「えっと、あのー…蝶?」
『はい、何ですか中也さん?』
キラキラッという効果音がつきそうなほどに目を輝かせて反応する。
「いやその、うん、確かに好きなだけくっついてていいとは言ったけど……今から飯だ、食べにくくないかと思って。…いつまでくっついてるつもりだ?」
『いつまでってそんな…い、言わせないでくださいよ!』
少し恥じらってから、両手を頬に添え、少し顔を背けて言った。
『一生……ですかね?』
「本当にやりそうで怖ぇわ!!」
こんなやりとりばかりしているから、イリーナ先生から先ほどの中也さん床ドン事件を聞きつけた皆は、それはもう私達にとても注目していて。
おい、朝ご飯だぞ!あーんの一つや二つしねえのかよ!だなんて一部の男子から野次が入っている。
そりゃあしてみたいような気もするけど、そんな事が出来るほど私のメンタルは強くない。
普段から積極的な風を装っているのだって、そうでもしないと恥ずかしさで胸が破裂してしまいそうになるからだ。
『え、あーんって……』
しかし不意打ちで来られるとやはり弱いのか、なかなか反応することが出来なくなる。
とりあえず挑戦してみようと、魚の切り身を箸で一口サイズに分け、摘む。
しかしそこからが問題だ。
なかなか中也さんの方へ持っていくことが出来ない。
どうしたものか、と箸をプルプルさせながら黙っていると、突然中也さんから話しかけてきた。
「何だ蝶、お前魚嫌いじゃなかっただろ?」
『え、あ、そうですね!はは、』
「ん?食えねえってんなら食わしてやってもいいけど…」
いきなり中也さんが、自分の箸で魚を摘み、私の口の中へと突っ込んだ。
『んん、!!?』
周りの野次達はおおお!と歓声を上げる始末。
や、やられた…流石は鈍感モンスター、恐るべし中也さん。
なんて考えていたら、次第に今何が起こったのかを理解し始めて、顔が熱くなってくる。
当然、まさかの中也さんからの逆あーんという、思ってもみなかった事態が起こってしまったわけだが……そこではない。
中也さんは、“自分の箸で”私に魚を食べさせたのだ。
か、関節Kissだなんて!!