第3章 新しい仲間と新しい敵と…ⅰ
私は今、とても満足しています。
中也さんの腕にぴったりとくっつき、クラスメイト達から冷やかしと言えども遂にやったな!等と嬉しい言葉が飛び交っている。
『中也さん、私大人しくしてましたけど、やっぱりこうなる運命なんですよ♪』
「あああ……なんでこんな事に………」
事の始まりは今日の朝。
『んん、眩し』
カーテンを閉め忘れていたため、容赦なく朝日が差し込んでくる。
と、ここで考えてみてほしい。
朝起きてしまうと、人間はまず何をするだろうか?
『ん〜?……んん!!?』
そう、目を開く。
目の前には、かなりの至近距離にある中也さんの顔。
ああ、そうだ、昨日腕枕お願いして……って、朝までずっと、寝てからもしてくれてたんだ。
未だに自身の頭の下に中也さんの腕がある事を認識して、心がじんわり暖まる。
夢じゃ、なかった。
今日も、中也さんがいる…中也さんがいる毎日がある。
『〜〜♡♡』
腕枕状態で既に距離は近いものの、中也さんの胸元に猫のようにゴロゴロと擦り寄っていった。
「ん、なん……だ、…………ああ!!?」
『あ、おはようございます中也さん!朝から中也さんに触れられるだなんてもう幸せ以外の何者でもないです!』
腕を回して抱き着くも、照れて赤くなり過ぎた中也さんに腕をひっぺがされ、こちらが倒れ込むようにして押さえられた。
背中は床…という名の布団!
目の前には中也さん!
何て素敵なシチュエーション、!!
「あ、朝っぱらからは…流石に焦るからな、起きてすぐにはやめような!な!?」
『そんな事言われましても私、昨日離れないって宣言してましたし?』
「それはそれ、これはこれだ!…いいから、心臓に悪い事すんじゃねえ……よ、」
途端、ガラッと開いた扉。
「おはよう蝶!朝だから起こしに来てやった……わ、よ…………ごめん、邪魔したわね」
スタタ、と走り去っていくイリーナ先生。
「ま、まて!!誤解だああああ!!!!」
中也さんは即座に私の上から飛び退いた。
自分がしていた、かなり恥ずかしい姿勢にようやく気が付いたらしい。
『え、誤解!?もしかして私達、遂に公認の夫婦に…』
「違うから!くっついてても何しててもいいから取り敢えず黙ってろ!!」
『本当ですか!!?分かりました、しばらく大人しくしておきますね!!』
これが発端だ。