第2章 暗闇の中で
まあ、そんな不純な動機で、当時十四程だったにも関わらず、勝手にポートマフィアに連れ帰って蝶の面倒を見てきたわけだが…
どうしてだろうか、あの女の何かなのかと思って接していた筈なのに、今は一人の白石 蝶として…俺といる日常を過ごしていってほしいと、狂いそうな程に願っている。
最初の頃の俺の、こいつに対する思いが依存であるとすれば、今となってはこいつ個人を寵愛しているようにも思える。
実際、傍から見てもそうなくらいだし、俺にだって少しは自覚があるのだ。
ただ、それがどういう感情なのかがわからない。
容姿があの女に瓜二つだから?治癒能力があるから、こいつに惹かれているだけなのではないか?
そう聞かれると、最初は否定しきれないところもあっただろうが、今となっては違うのだ。
白石 蝶を大事にしたい。
こいつと一緒に過ごしたい。
蝶がいなくなった四年間、荒れに荒れ、仕事の効率にまで支障をきたしたような俺が、生存を確認できただけでも目の前が明るくなったんだ。
あの暗闇から助け出してくれたのも、時にはマフィアの仕事に嫌気が差して屑になり下がろうともしたこの俺を支えてくれたのも、真っ白で純粋無垢なこいつだった。
どうかこれからも、笑っていてくれ。
どうかこれからも、真っ白なままでいてくれ。
どうかこれからも、俺を照らし続けてくれ。
どうかこれからも、俺の隣で……____