第2章 暗闇の中で
「そうそう、確か毎日の様に言ってたよね!毎晩中原君と寝るときに、蝶ちゃんからの逆プロポーズ!」
首領、貴方はどうしてこんな中で私の歴史を…!
「あ、はい、大体想像つきます…って、毎晩中原さんと寝てた!?」
大きなリアクションをとるカエデちゃん。
『え?そりゃあ中也さんの家に住まわせてもらってたし…』
「「「同棲してたあああ!!?」」」
同棲って……同棲か。
でもそんなに驚くような事なのか?
『何、皆してそんなに焦って…私は中也さんとずっといられるだけでも幸せだったし』
「そうだな、修学旅行明けからまた一緒に住むんだし」
『そうそう!また中也さんと一緒に……いっ、しょ…………』
よく良く考えてみれば、私だって成長して、前みたいなただの小さい子供じゃあない。
それなりに恥ずかしいことだってあるし、心臓持つのかな私!?
何よりもここ数年のせいで生中也さん耐性がかなり薄れてるし!
などと中也さんにはとても聞かせられないようなことばかりが脳内を巡って、ボフンッッとショートした。
「蝶ちゃん!?」
「蝶!!?」
周りの話し声だけが聞こえる。
「てか修学旅行明けから同棲って……お互い大丈夫かな、色んな意味で」
「蝶ちゃんに関して言えば、想像しただけでこんな状態だもんねぇ……中原君?」
「は、はい、何ですか?」
森が中原の前でへにゃりと笑いながら、遂に核心に迫ろうと遠回しな発言を投下する。
「蝶ちゃんの事…勿論大切に想ってるだろうし、君以上に蝶ちゃんを考えてる人なんか他に居ないと思うんだけど……だからこそ、これからは蝶ちゃんの事、一人の女の子として見てあげてくれないかな?女の子というよりは、一人の女性として、でもいいかもしれないけど」
「こいつを?蝶は、ちゃんと一人の、俺の大事な女ですよ?」
生唾を飲んで聞いていた周りの者達は項垂れる。
ダメだこの人、絶対分かってない…!と、イリーナまでもが驚く程の鈍感さ加減だ。
「ああ、うん、……焦らなくてもいいか」
「はい?…まあ、さっき野郎共には言ったと思うが、蝶は何処にも嫁にはやらねえからな、それだけは覚えとけよ!いいな、俺の見てないところで手ぇ出すんじゃねえぞ!」
あああ、ここまで言ってるのに何で分かんないんだこの人!と更に周りは頭を抱えた。
『え、中也さん今結婚しようって…!!?』