第2章 暗闇の中で
『私、離れてた分、全然成長してないんです。子供のままなんです』
「ああ、いいじゃねぇか、蝶は蝶だ」
『……相変わらず、中也さんの事が大好きです、甘えたで、スキンシップだっていっぱい…いっぱいしたいです』
「すればいい、好きなだけしたらいいんだ。もう、我慢しなくてもいいから」
『………あ、れ…おかしいな、嬉しいのに…っふ、ぇ…っ、』
嬉しい筈なのに、何でこんなに泣きそうになるの。
「泣きたい時は、俺のところで泣けばいい。…焦らなくたって俺は俺で、蝶は蝶だ。中身は何も変わらねぇ…これから、離れて我慢してたぶん全部埋め尽くして、いっぱい頼ってくれていい。」
ちっちゃい頃みたいに背中をトントンして落ち着かせようとしてくれて
私は、糸がぷつりと切れたようにして泣き喚いた。
強く強く、中也さんの胸にしがみついて
暫く泣いて落ち着いてきた頃、何となく話しかけにくい雰囲気のところ、先に話し出したのは中也さんの方。
「落ち着いたな。さっきも言ったとおり、お前のせいなんかじゃないから、そこは気にやむんじゃねぇぞ?それに捕まってたのがまたあの野郎のとこだったってんなら、まだ調べられることがあるかもしんねぇし、ポートマフィアの情報網で…!…何だ、?」
ギュ、と中也さんの腰に手を回す。
恥ずかしいけど、こうしたい。
『危ないこと、しないで……それよりも私といっぱいいて欲しい、』
ちょっとお願いごとがあったり甘えたかったりすると、敬語が付けれなくなってしまうこの癖。
知ってるのはきっと中也さんくらい。
「……馬鹿か、根本を潰さないと俺の気が済まねぇんだよ。あと実際にお前を攫ってった連中な。これは俺のけじめだ、しかもよく考えてみろよ、俺は誰だ?言ってみろ」
『ぽ、ポートマフィアきっての体術使い……幹部の中原中也さん…』
「そうだ、俺だ……心配しなくてもそんな奴ら瞬殺してやるさ、」圧死させてやる。」
頭をポンポンと撫でて中也さんは言う。
『…………でもそれであんまり会えなくなるの、嫌……です、』
「おう、そんな風にはしねぇから安心しろ、もう考えついてる事もあるし」
考えついてる事?
気になって顔を上げ、中也さんを見つめる。
『いっぱい一緒にいれる方法、?』
「ああ、そうだ。
____また、一緒に住まねぇか?」