第8章 空白の時間
嫌なのに、こんなの全然好きじゃないのに。
私の身体は以前にも増して首元への刺激に弱くなってしまったのだろうか。
頭を振り乱して抵抗するも、腕すら振り解けなくなるほどに身体がビクついて、吐息が荒くなる。
『ぁッ…んぁっ、やぁッ……は、ぁッ』
「こんだけでもう蕩け始めてやがる。どこが嫌だよ、怖いも何も完全に腰くねらせてんじゃねえか」
放たれる言葉が恥ずかしくて、やっぱり私はいやらしい子なんだって言い聞かされてしまった気がして、更に涙が溢れ出た。
『違…ッ、弱いだけ、で……ッひゃう…ん、っ!?』
「ちょっと大人しくしとこうな、誰かに来られちゃいけねえから」
口を手で押さえられ、ボレロが肩からずらされる。
そしてキャミソールの肩紐もずらされて、少しだけ胸元をはだけさせられた。
それを理解して腕で隠そうとするのにやっぱり力が上手く入れられなくて、気づいた時には目の前の男に胸の膨らみの上部を舐められていた。
声が出るものの手で押さえられているせいか、それがこもって更に耳に反響する。
そんな中、突然胸にチクリとした痛みが走った。
するの男は満足そうに口から手を離して、私の顔を覗き込む。
「何されたのか分かんねえって顔してんな…おい、大当たりだぞ。多分こいつまだした事ねえ」
「マジか、まあ見た目も結構子供だし……ん?子供か?の割には胸も結構あるし、色気も…」
男達の声を聴きたくなくて身じろぐけれど、耳も塞がせてもらえない。
こういう目で見られるのが、怖い。
あの人以外にこんな事をされるのは、もう…
「…!ちょっと道開けるぞ」
そんな時、通行人が通りかかったのか、男達は私を人に見せないよう囲ったまま、距離を縮めた。
見知らぬ人に助けを求めるような勇気も無くて、誰かにこんな姿を見られたくなくて、声も出せずに男達以外何も見えなくなる。
通行人の足音が聴こえ、そのまま通り過ぎていってしまったのを確認し、足音が遠のいていく中。
『……ッひゃ、ぁっ…ぁッ』
レロ、と首筋を舐められて、行為が始まってから一際甲高い声が漏れた。
刺激のせいで膝まで震えてきて、腕を押さえられていないと今にも崩れ落ちてしまいそうな程に、刺激と相まって恐怖が襲い掛かってくる。
しかしそんな時だった。
「お、すっげぇいい声…ん?なん…ッ!!?」
突然目の前の男が殴り飛ばされた。
