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第1章 蝶と白


それから二時間ほど授業を受け、三時間目は体育だという事で更衣になった。
しかし、私はまだ体操服を受け取っていない。
そのため制服で受けることにする。

運動場へ出ると、烏間先生も外に出てきた。
今の時期はナイフの訓練らしいが、やはり使った事などないであろう、武器の扱いはなかなか難しいようだ。

しかし、なかなかいい動きをしてる人物が一人。それもまた、赤羽君だった。

「それでは、次は2人組を組んで練習してくれ。白石さんは、実力を測りたいから俺と頼む。」

烏間先生の指示で皆2人組になっていく。
先程まで私が見ていた赤羽君はというと、姿が見当たらない。
……サボりだな。

『はい。でも烏間先生、実力をというのは、全力でお相手した方がよろしいのでしょうか?目立ってしまうかもしれないのですが。』

「構わない。むしろ、皆のいい見本になってくれると助かる。」

いい見本も何も…ああ、この人は知らないのか。
だからこんなことが言えるんだ。

『分かりました。…では、』

先生が構えた瞬間、私は即座に背後に回り込み、強めの蹴りを入れて相手の姿勢を崩した。

「何…!?」

そして、少々手荒だけれど、腕で先生の首元を打ち、地面に先生が着くのと同時に上から乗りかかる。
首元にナイフを当てて、終了。

『はい、先生。終わりましたけど、いい見本に…なりますか?』

そう、この人は知らないのだ。

「……素晴らしい動きだった。が、見本にするには、速すぎて俺にも見えん。恐らく目視できるような奴は、あの超生物くらいだろう。」

『だと思いました。…まあ、何か指示があれば従う事にしますよ。』

私が、元ポートマフィアの“特別幹部”だったという事を。





烏間先生との手合わせが終わると、丁度いいタイミングでポケットに入れてた携帯が鳴った。
誰からだろうと思い、開けてみると、国木田さんからだった。

『!!烏間先生、すみません。ちょっと電話してきます。』
「ああ、わかった。」

その様子を見ていた生徒には、やはり不満を持たれてる様子だったが、とにかく今は国木田さんが先だ。
気にせずどこか電話できそうな所を探そう。



そんな私に忍び寄る影が一つ。
気配的に、赤羽君か。
まあ、彼なら下手に情報を漏らさないだろうし、大丈夫かもしれない。

私はそのまま赤羽君を撒かず、電話に出た。
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