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第8章 空白の時間


『そ…ですか。……あ、そんな事言っても私、トウェインさんからそんな風にされたって食べませんからね』

「ええっ、今そう繋げる!?てか食べてくれてもいいんじゃないの!?」

『なんで私が食べに行かなくちゃダメなんですか!』

「僕が食べさせたいからに決まってるでしょそんなの!」

言われてまたかあっと顔に熱が集中する。
た、食べさせたいとか何言ってんのこの人、そんなの中也さんくらいで十分…いやあの人にされるのもそれはそれで大問題なんだけど!!

『や、やだ。食べないし…自分で食べれるし』

「……ほーら、美味しそうだよ」

『餌付けしようとするのやめてもらえます!?』

フォークをすーっと動かして私を釣ろうとするのに思わずムキになって反応した。
何よ、人を犬や猫みたいに餌付けしようとなんかして。

「だって折角美味しいんだよ?それに僕と食べようと思って二つ持ってきてるんでしょ?」

『うぐっ…、わ、私をケーキで釣ろうなんて二十年くらい早いんですよ!それにそれ自分で作ったやつですし!せめてもっと私が食いつくようなの用意してくださいよね!!』

「なんでそんなリアルな年数出してくるかな!?」

フンッとそっぽを向いて知らんふり。
靡いてなんてやらないんだから、私を釣るんなら最低限中也さんを用意してからしてほしいわよ全く。

「…あ、そういえば中原中也が、蝶ちゃんに色々着てみてほしい衣装があるって『中也さん!!?』食いつき早っ!!」

『何!?色々着てみてほしい衣装って!!』

「あー、ごめん、釣れるかなって思って名前出しただけ。本当は僕が着てほしいやつ」

言われた途端に冷たい目線を送り付ける。

『へええ、私を嘘の中也さん情報で釣ろうなんていい度胸してますねトウェインさん』

「ごめんって、でもやっぱ面白いくらいに反応するよね」

『デコピンしていい?』

右手を構えると顔を青くして首をブンブン横に振るトウェインさん。
嫌なら言わなきゃいいのに。

はあ、と息を吐いてから、トウェインさんに聞き返す。

『で、私を着せ替え人形にしてどう楽しみたいんです?』

「ちょっ、言い方!!それじゃあ僕がただのやばい奴みたいに……って、え!?着てくれるの!?」

『ここにいる限りはまあ…服着るくらいなら。実質部屋着とかも全部トウェインさんの選んだやつですし』

一応お世話になってるし
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