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第7章 克服の時間


知らねえ奴らの方が多くて、ほとんどの奴らが目を見開いている。

「これはあいつも言っていただろうが、蝶は烏間さんから依頼を受けて、手前らの学校に任務に当たっていた。探偵社の社員だとバラしたくなかったのは、横浜以外の場所で自分の能力を隠していたかったからだ」

まあ能力についてはまたにしておく、と言ってから、今の探偵社とポートマフィアを巻き込んだ、組合との三つ巴の戦争の緊迫関係をあっさりと説明する。

「組合って…ええっと、武装探偵社とポートマフィアが敵対していて、その大元の原因になった組合とやら自体が動き始めて、探偵社の蝶ちゃんの後輩さんを狙ってる……?」

「大まかに言えばそんなところだ…いや、そうだったはずなんだ、元々は」

俺の言い回しが気がかりになったのか、カルマから急かすような視線を送られる。

「……組合が狙ってんのはあいつんとこの野郎だけじゃねえんだよ。手前らの校舎にも来てただろ、あろう事か蝶にキスなんざしやがった野郎が」

「あ!!あの人組合ってとこの人だったの!?じゃあ蝶ちゃんの敵だったってこと!?」

「そうだ、そして話を戻すが、組合は蝶も狙ってやがった。…俺と蝶が四年間離れてたのは知ってるな?四年前に蝶を攫った奴っつうのがその組合のボスなんだよ…あいつが昨日付けられた首輪は、あいつが能力を使おうとすると電流が流れるようになってやがるんだ」

電流!!?と声が上がる。
男どもでさえもが冷や汗を垂らしている。

「あの枷で能力を防がれてなけりゃ、とっくにあいつは俺んところに戻ってきてたさ……そんでもって昨日の話に戻すぞ。手前らの目の前で蝶が取引相手だと言った、フランシスと呼ばれた男だ。そいつはな…………そいつが、組合の長なんだよ」

心なしか少し弱くなった声に、全員がえ、と声を漏らした。

「多分、手前らと一旦離れて二人になったのは、手前らの件が解決するまで見逃してくれと頼みでもしたんだろ」

「で、でもそれだったら烏間先生に助けを…」

「相手は異能力者だぞ?烏間さんは確かに強いが、異能力なんざ本気で使われてみろ…死ぬぞ」

俺が言ったからか想像したからか、餓鬼共の顔が青くなる。

「それに、あいつは下手に助けなんざ呼ばねえよ…いや、呼べねえのを分かっててそいつらはこの機を狙ってきたんだろ。手前らん中の誰かが殺されるといけねえからな」
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