第7章 克服の時間
「い、いや、ちょっとくらい余裕がある分には大丈夫だからってルーシーちゃんに聞いてたからちょっと大きめには見て……って!?えっ、そうだった『煩い!!!』いったあああッ!!?」
デリカシーの無い発言についムキになって、トウェインさんの脛を思いっきり蹴りつけた。
すぐに蹲って脛を押さえ、その場でのた打ち回る。
急所ではあるけれど手加減はしきれなかった。
「いや、これッ!!容赦なさすぎだから!!?」
『でっ、デリカシー無いのが悪いの!!折れてないんだから文句言わないで!!!』
「だってまさかそんなにあるだなんて思わな、ごめんっ!ごめんって!!!」
拳をわなわなとさせていれば全力で謝罪をするトウェインさん。
涙目ではあるけれど、乙女の胸のサイズを知った罪は重いのだ。
「……何してるの?」
と、ここで響いたのは女の人の声。
聞き覚えのある声に部屋の扉の方を向けば、そこには先程話に出てきたルーシーさんがいた。
『何って…!そうだ、ルーシーさん!色々とありがとうございました!!』
「えっ!?何言ってんのよ貴方、攫われた敵の人間に何でそんな事!?」
『え、だってトウェインさ……このデリカシーの無い人にも伝言してくれたんでしょう?』
待って蝶ちゃん、真面目にごめんと上体を起こすトウェインさんをチラリと見て、それから何も言わずにルーシーさんの方に向き直る。
「なんで無視!?いや、ほんとごめんって!!」
『もうやだこの人、ねえルーシーさん、目測のはずなのに下着のサイズがピッタリだったの…どう思う?』
言った途端にこの状況を察したのか、ルーシーさんはトウェインさんの方を向いて若干引き気味に返す。
「え、貴方ピッタリって…なに、その手のプロなの?女性経験豊富なのもしかして」
『へぇ、トウェインさんってそういう…』
「違うからね!!?」
「いや、それでも流石にそれはちょっと……引くわね」
オブラートに包んでくれるんじゃなかったの!?と既に涙目だったのが本当に泣き始めてしまった。
『あ、ルーシーさん、わざわざありがとうございました。あの、もし良かったら今度お菓子でも作れたら…食べてもらっていいですか?』
「わ、私に?貴女にそんな風にしてもらう必要…ないけど、いいわよ。もらってあげる」
少し照れたように言うルーシーさんに、やったあと笑顔になった。