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第7章 克服の時間


《給料日前の奴である》

また映像が変わり、どうやって撮ったのかというくらい完璧な構図から、殺せんせーの醜態が映し出される。

《分身でティッシュ配りに行列を作り、そんなに取ってどうするのかと思いきや…》

「ブッ……!!」
「か、割烹着って…ププッ、」
『てかなんで先生の家に入れてんのこのカメラ…』

《____唐揚げにして、食べだした》

ここで流れる楽しそうな殺せんせーの調理中の音声は、私が作るまでもなく、先生自身の発する言葉。
給料日前に金欠でお金がない時は、これが一番なのだと流れている。

《教師…いや、生物としての尊厳はあるのだろうか》

『あ、ここの間いいね、最高!』
「てかこの言葉選んだの誰だよ」
「勿論白石」
「えげつねぇ…ブッ、!」

《こんなものでは終わらない。この教師の恥ずかしい映像を、一時間たっぷりお見せしよう》





それから本当に一時間くらいかけて、全ての映像を見終わった。
するとそろそろ夕食の時間が近づいてきていたようで、前原君は一旦船上レストランの方に行くことに。

『後はここのテロップ仕上げて、モニターにつなげるのと音響と……セッティングか!』

「さっきの映像、殺せんせーが見たらどんな反応すっか、目に浮かぶぜ…」

「後一時間弱で仕上げだ!やりきるぞ」

本番で映画感覚で楽しんでいただけるように大画面のモニターにパソコンを接続し、エコーの入った音声をそれらしく流すことが出来るように私お手製の小型スピーカーも設置。

テロップもBGMも映像も編集し終わって、後は会場のセッティングを残すだけとなった頃。

「おーい三人とも!持ってきたぞー!」

「ホテルのシェフが、外で食べるお前ら三人のために弁当風にしてくれてたんだってよ!飲み物もデザートもついてるぜ」

磯貝君と前原君が、予告通りにご飯と飲み物を持ってきてくれた。
その瞬間、予想もしていなかった単語が聞こえて、私の目が一瞬で輝き始める。

『デザートも!?本当に!?』

「うん、蝶ちゃん絶対そういう反応すると思った」

磯貝君と前原君もすぐに船に行かなければならないので、お弁当をもらってすぐにまた別れる。

お互い頑張ろう、また後でと言葉を交わして、私達三人もご飯にした。
後は本番でいかに計画通りに進められるか……どれだけとどめの二人が、いつもどおりを発揮できるか。
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