第6章 あたたかい場所
「泣かしたの!?何、あんた蝶にいったい何したのよ!?事によっては許さないわよ!!?」
「だああ!俺が一番へこんでんだよそこは!!…向こうからキスしてきた時に離しちまったんだよ。確か最初はされただけで離したんだが、この前は危うく深いところまで持っていかれそうだったから、流石に離した」
あんた本当に蝶に深いのなんて教えてたわけ!!?
なんてギャーギャー聞こえるものの、あれは確かに俺が教えて、最近なんかではあの極度の恥ずかしがり屋の蝶が舌を返して来るようにまでに成長しやがったものだ。
言い逃れは出来ない位のレベルになってきている上、まあまだまだ下手くそなのに変わりはねえけど俺が教えているようなもの…あいつ、生きてきただけあって本当に頭がいいっつうか、順応性が高いっつうか…
「一つ言っておくけどな、そもそも最初にキスなんかしてきたのは向こうなんだからな!?じゃねえと俺があんなちっせえ女にいきなり理性切らしたりするわけねえだろ!舌入れてきたのだってあいつだ、色々仕方なかったが、俺からんな事教えるだなんてありえねえんだよ!!」
「!…ねえ、蝶ってかなり初そうだけど……処女なの?」
「ブッ!!!!?ゲホッ、ゲホッ!!!……て、めっ…、ゲホッ!!」
流石にこれには吹き出すしかなかった。
E組の奴らが言ってたのはこういう事か、どうりでビッチビッチと呼ばれてるわけだ。
「だってそれだけ生きてきてるんなら、今までに好きになってそこまでいった男なんかいたって、おかしくはないと思うのよねぇ…」
「少なくともあいつは経験ねえよ!!ふざけた事ばっか言うんじゃねえ、手前と一緒にすんな!!」
「あんた何気に私の事貶してるわよねそれ!?どうせあんた、その様子じゃまだ最後までした事ないんでしょ!!」
「誰とすんだよ俺が!?他の奴らにもだが蝶に出来るわけがねえだろ、普通に考えろこの低脳女!!!」
本来ならば馬鹿にされたところに対して怒るべきなのだろうが、俺からしてみれば蝶以外の女になんざ何の魅力も感じねえようなもの。
そんな部分は恥じるところでもなんでもなく、そんなことよりも蝶以外の誰かを抱くようなことがあったとすれば、その方がよっぽど俺の中での恥になる。
俺の一途さなめんなよ。
「あー呆れた、そんな馬鹿みたいに愛着あんのによく見て見ぬふりなんて出来てたわね」
