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第6章 あたたかい場所


甘やかしてやってくれって何!?
頭の中がこんがらがって顔に熱が集まって、首を横に振った。

「…お前の顔が見てえんだが?多分今、俺がすっげぇ好きな表情してっから」

『!!ッあ、ッ!?…ひゃあぅッ…、ンンッ、!!』

頬に当てた手で、まるで猫にするかのように首に指を擦り付けてくる。
突然、それも初めて与えられたような首への刺激に頭がおかしくなりそうに肩が跳ねて、身体が震える。

『や、めッ…あッ、あ…ン…ッ!?ひあ、ッ…ぁッ……!』

片手で口元を押さえたまま中也さんの手を止めようとするも、もう片方の中也さんの手が項に回ってきて、中也さんに耳を甘噛みされる。

恥ずかしいのと刺激におかしくなってしまうのが怖いのとで、遂に口元から手を離して、懇願するように中也さんのシャツを握りしめた。

『も、ダメ…ぇッ、そ、こはッ……!?ふ、んぅッ…ん…』

耳から口を離したかと思えば、首を指でさすられながらキスをされた。
この人最初っからこうするつもりだったんだ、なんて思いつつも刺激のせいで手に力が入らなくて、触れるだけのキスのはずなのに中也さんの手のせいで膝が崩れ落ちそうになる。

「!……っと…」

項に回っていた手で首筋を撫でられて、結局耐えきれなくなってガクッと膝を崩せば、中也さんがなんなくそれを支えて私を抱きとめた。

『あ、あ…何、してぇ…ッ、わた、し……っ』

恥ずかしさに涙目になって下を向くのに、中也さんはおでこをくっつけて私を見る。

「その顔その顔…お前普段猫みてぇに擦り寄って来るくせして、やっぱり首は弱ぇのな?」

『な、なっ…ぁ、ッ……ひぅッ!?』

今度は先程甘噛みされてビクビクと反応し続けていた耳を首筋と一緒に片手で触られて、いよいよ中也さんの首元に腕を回した。

「……なあ、薄々前から思ってたけど、もしかしてお前耳も敏感になったら弱かったりすんのか」

前から薄々思ってただなんて言われたって、こんなに私の身体を敏感にさせて弄ぶのなんて中也さんくらいしかいないのに、私が知ってるわけないじゃない!

ていうか普段からそんなに強くないわよ耳も!!

なんて頭の中だとめいいっぱい反論できるのに、中也さんに上手いようにあしらわれていて本当に猫にでもされてしまったような気分だ。

「まあその反応が肯定みてぇなもんか…可愛い……」

また唇にキスをされた。
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